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介護食の分類 学会分類2013と嚥下食ピラミッド

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学会分類2013について

以前の日本では米国のNational Dysphagia Diet(2002)1)のような統一された嚥下調整食の段階が存在せず、地域や施設ごとに多くの名称や段階が混在していました。
急性期病院(*1)から回復期病院(*2)、あるいは病院から施設・在宅およびその逆などの連携が普及している今日、統一基準や統一名称がないと摂食・嚥下障害者および関係している方にとって不便な状態でした。

そこで、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会では、国内の病院・施設・在宅医療および福祉関係者が共通して使用できることを目的 とした、食事(嚥下調整食)およびとろみについての段階分類を示した「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013(通称:学会分類2013)」を作成しました。

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*1急性期病院
急性疾患または重症患者の治療を24時間体制で行なう病院のこと。
*2回復期病院
脳血管障害や骨折の手術などのため急性期で治療を受けて、病状が安定し始めた発症から1~2ヶ月後の状態の時期に集中的なリハビリテーションを行なうことで低下した能力を再び獲得するための施設・病棟がある病院のこと。
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学会分類2013の早見表

学会分類2013は、食品の形態、特色、必要な咀しゃく能力などによって、コード0、コード1、コード2、コード3、コード4の5段階を分類として設定しています。
また、コード0j と 1j の「j」はゼリー状、コード0t の「t」は、とろみ状の略です。

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下記説明の中に出てくる「食塊」は、「しょっかい」と読みます。
食塊とは、食べ物を口に入れた時に噛み砕き、唾液(だえき)と混ぜ合わせて出来た飲み込む前の塊(かたまり)のことをいいます。 また、食塊をつくる為の口の中の動きを食塊形成といいます。
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コード0j

コード0jは、嚥下訓練食品に位置づけられています。
コード0jの嚥下訓練食品は、均質で付着性が低く、凝集性が高くて硬さがやわらかい離水が少ないゼ リーと、スライス状にすくうことが容易で、スプーンですくった時点で適切な食塊状となるもです。
量や形に配慮してスプーンですくい(例:スライス状)、そのまま口の中に運んで咀しゃくに関連する運動は行わず嚥下すること(丸呑みすること)ができる食品が該当します。
万が一口腔内や喉に残った場合にも吸引が容易であるやわらかさであることが条件です。

コード0t

コード0tも、嚥下訓練食品に位置づけられています。
コード0tの嚥下訓練食品は、均質で付着性が低く、粘度が適切で凝集性が高いとろみの形態のものを言います。ス プーンですくった時適切な食塊状となっているもので、量にも配慮してスプーンですくい、そのまま口の中に運び、咀しゃくせずに嚥下すること(丸呑みすること)ができる食品が該当します。

コード0j と並び、最重度の嚥下障害のある方に訓練する段階において推奨する形態のひとつです。咀しゃく能力が低く、飲み込む力が弱かったり食道入口部の開大が不足して食物が残り誤嚥をしやすいなど、嚥下可能な食塊の範囲も限られている人にも適用できます。
丸呑みで誤嚥する場合やゼリーが口中で溶けてしまう場合は、コード0j よりもコード0t が適しています。

コード1j

嚥下調整食に位置づけられています。
咀しゃくに関連する能力は不要で、スプーンですくった時点で適切な食塊状となっていて均質でなめらかな離水が少 ないゼリーやプリン、ムース状の食品を言います。
咀しゃく、食塊形成能力が低く、また嚥下時の誤嚥のリスクもあるが、咽頭通過に適した物性の食塊 であれば嚥下可能である状態の方が対象です。
口に入れる際には厳密に毎回スライス状とするほどの配慮を要しない場合も対象です。
一般食品の卵豆腐やおもゆ、ミキサー粥の物性に配慮したゼリー、介護食として市販されているゼ リーやムースが該当します。

コード2 (コード2-1 およびコード2-2)

嚥下調整食2に位置づけられています。
スプーンですくって口腔内の簡単な操作により、適切な食塊にまとめられるもので、送り込む際に多少意識して口 蓋に舌を押しつける必要があるものです。
コード2の中で、なめらかで均質なものを「2-1」、やわらかい粒などを含む不均質なものを「2-2」 と分類しています。 
咀しゃく能力としては不要でも、口に入れたものを広げずに送り込むような能力がある程度有り、若干の付着性の幅に対応可能な嚥下機能を有する人が対象ですが、食品の付着性や凝集性への配慮は必要になります。
一般にはミキサー食、ピューレ食、ペースト食と呼ばれていることが多いです。

コード3

嚥下調整食3に位置づけられます。
形はあるけれど歯や補綴物がなくても押しつぶしが可能で、食塊形成が容易であり、口腔内操作時に多量の離水がなく、一定の凝集性があって咽頭通過時のばらけやすさがないものです。
舌と口蓋間の押しつぶしが可能で、つぶしたものを再びある程度まとめ(食塊形成)て、送り込むこ とができる(舌による搬送)能力のある状態で,嚥下機能についても誤嚥せず嚥下できる方が対象としています。

粉砕再成型と均一さは必須ではなく、条件を満たしていれば、つなぎを工夫した”やわらかいハンバーグの煮込み”や、”あんかけをした大根や瓜のやわらかい煮物”、”やわらかく仕上げた卵料理”など、一般の料理でも素材の選択や調理方法に配慮されたものが含まれます。
市販の肉・魚や野菜類をさまざまな技術を用いて軟化させた製品の多くも、嚥下調整食3の段階に含まれます。一般にやわらか食、ソフト食などといわれていることが多いです。

コード4

嚥下調整食4に位置づけられます。
誤嚥や窒息のリスクのある嚥下機能および咀しゃく機能の軽度低下のある人を想定した、素材と調理方法を選択した嚥下調整食です。
固すぎず、ばらけにくく、貼りつきにくいもので、箸やスプーンで切れるやわらかさをもったものが該当します。
咀しゃくに関する能力のうち、歯や補綴物の存在は必須ではありませんが、上下の歯槽堤間の押しつぶし能力以上は必要です。一方、流動性が高いため、コード2に含まれないような「とろみが付いていてもゆるく、自分で飲み込めるものもコード4に該当します。
主食の例としては、全粥や軟飯などです。軟菜食、移行食と呼ばれるものも嚥下調整食4に含まれます。素材に配慮された和洋中の煮込み料理、卵料理など、一般食でもこの段階に入るものが多数あります。

学会分類2013(食事)早見表

学会分類2013の早見表です。

『日摂食嚥下リハ会誌17(3):255–267, 2013』 または 日本摂食嚥下リハビリレーション学会ホームページ: http://www.jsdr.or.jp/doc/doc_manual1.html 『嚥下調整食学会分類2013』 に掲載されていますのでそちらを必ずご参照ください。

学会分類2013(食事)早見表

嚥下食ピラミッドについて

学会分類2013の嚥下食ピラミッド以前の学会基準案のコード分類では、ゼリー状食品を中心に設定していたため、とろみ状食品が適している症例には不適切であるとのパブリックコメントがありました。
また、ゼリー状食品のコード番号が低く、とろみ状食品のコードが高い設定では、初心者に「すべての症例にゼリー状のほうが適している」との誤解を招きやすいとの指摘があったことから、ゼリー状食品(コード0jおよびコード1j))で開始するのか、とろみ状食品(コード0t)で開始するのかを、治療者が選択できるよう、嚥下食ピラミッドが作成されました。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会のウェブサイト

日本摂食嚥下リハビリテーション学会は、1994年設立。
現在は学術集会の開催と機関誌の発行に加えて、認定士制度、認定士単位セミナーや市民公開講座の開催、e-learningによる学習システム、研究助成金制度、診療ガイドラインの策定など、さまざまな事業を行っています。

日本摂食嚥下リハビリテーション学会ホームページ

日本摂食嚥下リハビリテーション学会のウェブサイトはこちら

※上記資料は日本摂食嚥下リハビリテーション学会のウェブサイトより引用しました。


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