咀しゃくや嚥下が困難な場合でも、口から食物を摂取してもらうには、食物が咀しゃくしやすい固さであり、飲み込みやすい形状かどうかが大切になってきます。
一般的に液体が一番飲み込みやすいと思われがちですが、実は違います。
水などの液体は取り込みやすいですが、口の中から喉に流れるのが早すぎるため、嚥下能力が低下している人には、口の中で液体を保持したり、ゴクンと飲み込むのがうまくいきません。
健康な高齢者は口の中で食べ物をきちんと咀しゃくして、自分の口で嚥下することができますが、嚥下機能が低下していたり障害があったりすると、嚥下するための食塊を自分で作り出すことができません。
こういった場合は、飲み込みやすくするため(嚥下しやすい)の工夫が必要です。
ところで・・・
嚥下&食塊って?
○嚥下(えんげ)とは・・・かみ砕かれた食物が唾液と混ざり合い、舌の上の集められ口腔、咽頭の運動によって食道を通って胃に送られます。この一連の動作を嚥下(えんげ)といいます。
○食塊(しょっかい)とは・・・
食べ物を口に入れた時に噛み砕き、唾液(だえき)と混ぜ合わせて出来た飲み込む前の塊(かたまり)のことをいいます。
では、嚥下しやすい調理法を紹介します。

- 時間をかけてやわらかく煮る
- ゼラチンや寒天を使って寄せる
- くず粉、片栗粉などを使ってとろみをつける
- お茶、ジュース、汁物はむせやすいため、とろみをつける
- 酸味の強いものは薄める
- 和え衣の量(豆腐や練りごま、ピーナッツバター等)は、すり鉢を使ってよくすり合わせ、なめらかにしたものを多めに使う
- 卵を使って蒸し物にする
- 山芋などを使ってとろみをつける
- 彩をよくして食欲を増進させる
- マヨネーズやバターの油分を利用して、すべりを良くする